アンダースコート

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アンダースコート(under skirt)は、スコート(ミニスカートタイプのテニスウェア)の下に着用する専用下着のこと。通称「アンスコ」。 女性用のテニスウェアやバドミントンウェア、チアリーディング、バトントワリングのユニフォームなどで使用される。

スコートが動きによってめくれ上がったりした時に裾から下着(ショーツ)が見えないように、通常は普通の下着の上に重ねばきする。 形状はショーツとほぼ同じであるが、下着を覆い隠すためにサイズがやや大きめでローレグのデザインとなっている。素材は厚めの綿またはポリエステルの混紡製であることが多い。 見せることを前提に作られたものであるため、臀部などにフリルが縫い付けられ装飾性を高めてあったり、スコートと色や素材を合わせたレオタード状になっている。フリルは、当時売りだし中のイギリス人デザイナー、テディ・ティンリンが、どうせ見えるならと装飾用としてデザインしたのが発端と言われている。その後、アンダースコートとに呼ばれるようになったこのウェアは、1949年にアメリカのモーラン選手が、ウィンブルドンで着用して話題を集めた。

テニスウェアとしてスコートが全盛であった頃は、アンダースコートはブルマーのようにアウターウェアの一種であると認識され、スコートと共に着用することをためらうケースは少なかったようであるが、実際は形状や色が下着となんら変わることがなく、同一視の対象となってしまうなどの理由で衰退した。2008年現在、テニスウェアとしてはショートパンツやスパッツなどが主に着用され、スコート及びアンダースコートを見かけることはまれである。

チアリーディングやバトントワリングにおいても、これらの競技でスパッツがまだ一般的ではなかった90年代以前では、ほぼ100%アンダースコートだったが、2000年代以降にはスパッツを着用するチームが増えた(依然アンダースコートが多数派ではあるが)。また、中学校や高校の部活動では、練習時にはブルマーを公式試合ではアンダースコートを着用することが多かった。アンダースコートを着用できるのは正選手だけだった学校もある。

アンダースコートにとって、フリルは重要な位置を占めている。先に述べたとおり、アンダースコートは激しい動きによってスコートがめくれ上がったときに露出する。この時、フリルが見えることでアンダースコートであることを強調している(フリルがないと下着かと思われてしまう)。短パンで練習するときにアンダースコートをアンダーウェアとして着用すれば、透けたとしてもフリルが付いているので下着が透けていると思われずに済む。アンダースコートのフリルは、前身頃と後身頃に付いているもの、後身頃だけについているものが多い。しかし、フリルの無いアンダースコートもあった。そのようなアンダースコートをブルマー型アンダースコートという。

テニス用のアンダースコートには、ボールポケットが付くことがある。これは、テニスのルールでサーブは2回打つことができるとあるが、ファーストサーブを打つときにセカンドサーブ用のボールをしまっておくためにある。ボールポケット付きのアンダースコートの多くでは、左後に下からボールを入れられるようにポケットが付いている。

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